最近よく、税務申告はAIでコンピュータが行なうようになっていくので、税理士の仕事は将来なくなる、などという極論まで耳にします。確かにコンピュータの能力は高まり、私たち自身も恩恵を受けてはいますが、そう簡単な話ではないでしょう。
ことに資産税のような分野では、じつにさまざまなケースがあり、それぞれに対処して税務企画を考え最適の方法に導くということは、単純にアルゴリズムで計算できるものではありません。
以前、資産の譲渡申告の際に税務署で聞いたら膨大な税額になり、驚いて相談にみえた方がありました。拝見すると、確かに手続き上はそのとおりです。でもたいへんな負担です。いろいろと調べてみたのですが、その中で、購入当時のある資料を資料館で探してみたら、ということに気がつきました。そして、それを見つけ出してもらったことで、なんと税金は一桁ダウン。まれな事例ではありますが、そういうこともあります。税務署は別にたくさん税金を納めさせようというわけではなく、最初の段階の書類だけで規定どおりに計算すればそうなるという結果、こちらもあの手この手で税を逃れようとしたわけでもない、資料ひとつに目を向けただけで、大きく負担が減らせた、ということです。これは、コンピュータには絶対に代替不可能なことです。逸失利益を防ぐ、これは私たちの仕事の根幹です
私たちの事務所はなぜか女性が圧倒的に多くて、ことに同業からはよく驚かれます。税理士事務所には、これまで男性社会のイメージが強かったせいか珍しがられるのですが、たまたま偶然の結果で、いつの間にか女性が定着してオフィスは女性ばかりになりました。しかし、よくみられがちな、女性は補助的な作業で所長が命令して、といったパターンではありません。それぞれが最前線で仕事を担当していて、実務を一から十までできる実力派スタッフばかりです。また、女性ならでは、というと叱られるかもしれませんが、やさしい視点からの提案に気づかされることも多くありますし、根気があり、会計の地道な作業も確実にこなす安定感をそなえています。
そういったバックボーンをかためて、総合力で提案していくのが私たちの事務所の特長です。税務会計の計算や書類作成はもちろんですが、シミュレーションをして比較したり、組み立てを考えたり、さまざまな工夫やアイデア、そのクリエイティブな部分こそが事務所の個性であり、能力差につながると考えています。資産税の管理、相続税の相談、その言葉は一緒でも、プロセスや結果は税理士によってまったく違ってきます。そこが私たち自身にとっても、仕事の醍醐味なのです。
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